2009年05月01日

パノラマ島奇譚

photo
パノラマ島綺譚 (BEAM COMIX)
江戸川 乱歩
エンターブレイン 2008-02-25

by G-Tools , 2009/05/01


「現世は夢、夜の夢こそまこと」
祝・手塚治虫文化賞・新生賞受賞!

原作・江戸川乱歩、漫画・丸尾末広。
この組み合わせを見ただけでも眩暈がするようですが、
実際に読んだらこれまた想像以上の風景が広がっていて、
パノラマ島奇譚の持つ、猟奇と幻想の止めどないうねりを、
丸尾末広が完全に漫画化してしまったと…腰が抜けました。

ちょっと読み始めたところでも、中将湯の看板や、
人見が妄想を紛らし?に抱いた、たちんぼの女が悶える枕元、
その屏風に描かれた妖怪ふたくち女の絵など。
丸尾ワールドが生み出す大正末期〜昭和初期の空気が、
和洋折衷の彩り・毒気に満ち満ちていて、はまるはまる。

また、とにかく出てくる女性がとても綺麗です。
千代子の陰りある表情、女中のヤエの水中バレエ(?)など、
楽園のイメージに必ず寄り添う裸の女性達の姿以上に官能的。

圧巻はやはり、ヤエが泳ぎ回るその水中回廊だった。
文字通り、竜宮城を絵に描いたようなコマぶち抜きの、
めくるめく海のおさかなパーティー…カラーで読みたいシーン。
化けた人見が源三郎でないことに既に気づいていながらも、
あまりの超現実的空間に圧倒されたのか、
あっけにとられたまま人見に促されるままの千代子。

そして……オフィーリアのようになった千代子の遺体も、
悲劇的ながら耽美的で、感動というと変だけど、心をかき乱された。
明智探偵の登場で、ふと我に返る心持ちがしたところで、
役目が入れ替わったように人見は血の花火になってしまうが、
読み終えた後も目の奥に目まぐるしく消えては広がる、
あのパノラマ島の風景はそうそう簡単には消えなくて、
再び手に取ってしまいます。表紙も良いです。

この作品は、ひとり夜中に読むのがベストでしょう…。
恐怖奇形人間のDVDも機会があれば鑑賞したいところです。


【参考】江戸川乱歩 - Wikipedia (ja)
【参考】M A R U O J I G O K U


posted by garni at 01:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画/アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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