2009年06月21日

WATCHMEN

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WATCHMEN ウォッチメン(ケース付) (ShoPro Books)
デイブ・ギボンズ 石川 裕人 秋友 克也
小学館集英社プロダクション 2009-02-28

by G-Tools , 2009/06/21

今春、予備知識を殆ど持たないまま劇場版を鑑賞しました。
その時はただただ、物凄いものをみてしまった…と思いました。

色々考えを巡らせながら観ようと努力はしたものの、
その時点では映し出される情報をとても把握しきれなかったので、
ぜひとも原作に目を通しておきたいと思い、
鑑賞からしばらくしてこの日本語版を手にしました。

日本語版はチャプター間に挿入されたエピソードの和訳に始まり、
漫画の中に登場する看板の文字や新聞の見出しへの注釈、
さらにはオジマンディアスのPCの画面までも、
書体をデジタルっぽいものに差し替えて訳しているあたり、
非常にクオリティが高いです…もちろん本編はオールカラーで、
大切に持っていたい!と思わせてくれる、充実した内容でした。

読んでいる間、映画のシーンがその都度ありありと頭に浮かび、
劇場版のすばらしさも再確認できた。
こちらは9.11にBOXセットが発売されますが、複数種類がある模様。

パラマウント、「ウォッチメン」をBlu-ray/DVD化
3枚組は、この本編と特典ディスクに加え、もう1枚特典ディスク(DVD)を同梱。「映画ウォッチメンの中の2つの物語」として、ひとり生き残った船長の、壮絶なサバイバルストーリーが展開する短編アニメ「“Tales of the Black Freighter”『黒の船』〜海賊船 ブラック・フレイターの物語」を収録。さらに、初代ナイトオウルが明かす、正義の真相「『カルペパー・ミニット』ナイトオウル自伝『仮面の下で』を語る」を収録。モーションコミックの「ウォッチメン」第1章と、予告編も収めている。
個人的には「黒の船」が収録されているという、
コレクターズBOXか…映画には出なかった重要な要素だけに。

また、米国では近くディレクターズカット版も上映予定とのこと。
しかし、そのニュースに関しては日本では話題にも上りません。
そもそも実際の内容と比べて日本の予告編には違和感があった。
その影響かわかりませんが、日本では評価しようにも理解できない、
で終わってしまった人がきっと多いのではないでしょうか?
上映期間も長いとはいえなかったし、非常に残念だと思います。

劇場版の場合、クライマックスが映画オリジナルになっているけど、
21世紀だからこそ制作できただろうウォッチメンとして、
違和感なく締め括られている傑作だと感じました。



あの「The Times They are A-Changin'」に乗って流れる、
オープニングの圧倒的な出来栄えも含めて…ぜひぜひ、
日本でもディレクターズカットの上映を希望したいですが。

それにしても、オリジナル「WATCHMEN」は本当にとてつもない…。
読み終えるまでに想像以上に時間がかかりました。
何よりまず、アメリカ現代史を知らないとわからない部分が多い。
他にも、歴史・科学・文学・美術・神話などなど…、
盛り込まれている要素も多岐にわたっていて、
読者が試されているというか…その世界観は優に漫画の範疇を超え、
現代を象徴する文芸作品の高みに到達してしまった。

また、チャプター間の綿密な「資料」も本編と一体になっているし、
ひとつのコマに詰め込まれた背景の文字、そして吹き出しが、
場合によって2種類3種類とあり…そのどれもが、
ちゃんと意味を持って存在しているだけに、軽く読み飛ばせない。

例えば屋台の新聞屋のオヤジが世相を嘆く傍らに座る少年の読む、
「黒い船」の語りがオヤジの愚痴とシンクロしていたり、
1つのページの中で登場人物それぞれのストーリーが、
段ごとで区分けされ共存していたりもする。

極めつけはチャプター5「恐怖の対称形」、
この章はオジマンディアスが暴漢を叩きのめすシーンを中心とし、
なんとページのコマ割りが「対」、左右対称に配置されている。

と…いちいち書き出すと本当にキリがないくらい、
巨大なスケールと緻密さを併せ持ったおそるべき作品ですが、
そのストーリーの重厚さ、ヒーローひとりひとりの魅力が奥深くて、
何度読んでもハッとさせられます。


【参考】アラン・ムーア
【参考】ウォッチメン


posted by garni at 18:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画/アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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