2009年08月17日

Hot Rats

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ホット・ラッツ(紙ジャケット仕様)
フランク・ザッパ
ビデオアーツ・ミュージック 2008-05-21
曲名リスト
  1. ピーチズ・エン・レガリア
  2. ウィリー・ザ・ピンプ
  3. サン・オブ・ミスター・グリーン・ジーンズ
  4. リトル・アンブレラズ
  5. ガンボ・ヴァリエイションズ
  6. イット・マスト・ビー・ア・キャメル

by G-Tools , 2009/08/17

'69年にフランク・ザッパ名義でリリースされた『ホット・ラッツ』は、
数多あるFZ作品の山の中でも絶好の入口となるアルバムとして必ず上位に挙げられる。
音楽的には当時の時代背景うんぬん等々はものともせず、
いつ聴いても至高のジャズ・ロック作品として楽しめる内容。
楽曲の大部分のパートはFZとMOIのメンバーでありマルチプレイの達人、
イアン・アンダーウッドの二人によってレコーディングされたとのこと。

冒頭の「ピーチズ・エン・レガリア」…まさに代表曲と呼ぶべき一品。
短い中にも色とりどりの魅力が満ち溢れていると思う。
『フィルモア・ライヴ』『ティンゼルタウン・リベリオン』等、
他のアルバムでそのライブバージョンを聴くことができる。
だが、何度か触れているように、そのキャリアにおいてスタジオとライブの音源をごちゃ混ぜに、
時には別の独立した楽曲をひとつに纏め上げる手法までも駆使して、
以前の作品をヘパイストスの如く打っては鍛え直したザッパではあっても、
このスタジオ録音でのオリジナル版を超えるバージョンはおそらく作れなかったと思う。

現在オフィシャルとされているCDでの『ホット・ラッツ』収録の同曲は、
アナログ盤と比べて、20秒ほどランニングタイムが短くなっているという。
しかしながら、どういった意図で元の尺を縮めることにしたのかは謎。
ちなみに、「ガンボ・ヴァリエイションズ」は逆にLPより4分ほど長いようだ。
また、1993年のFZ承認盤に特徴的で、ある意味残念な部分でもある、
ザッパの聴覚から起因する不自然なトレブルの強調は本作においてはそれほど強くない。

ここでドラムを叩いているロン・セリコという人に関しては、
調べた限りではこの「ピーチズ・エン・レガリア」を除いて参加作品は見当たらないが、
オープニングやブリッジに至るフィル・インでの見事なタム回しはなんとも快感。
イアンのオルガンが奏でる珍妙で色彩豊かなシーケンスも大好きで、
よくキーボードでコピーしてみたりもした。

2曲目の「ウィリー・ザ・ピンプ」も人気曲。
荒々しいブルースのリフに乗せ、キャプテン・ビーフハートが凄まじい声で歌い上げる。
アルバムタイトルの『ホット・ラッツ』はこの曲の歌詞からとられた。
ここでの濃厚なザッパのギター・ソロはまるで音そのものがストーリーテラーのよう。
ウォーレン・ククルロによれば、ザッパがソロをとる際は大体の場合、
概ね2つのコードの繰り返しをバックに演奏することが多かった、
とのことで、ここでも既にその兆しは出てきていると思う。
後年の演奏に比べればオーソドックスにも感じられるが、本当に美しく、艶めかしい。
その他の曲も、この頃のマザーズとは一線を画した真っ直ぐな格好良さが胸に響く。

『ホット・ラッツ』をザッパ音楽の初体験にするのは素晴らしく、また贅沢だと思う。
次の選択肢は三叉路…どころでなく、あちこちに枝分かれしているけれど、
向かう先が『ワン・サイズ・フィッツ・オール』『バーント・ウィニー・サンドウィッチ』等であれば、
エキセントリックなマザーズ・オブ・インベンション期の作品や、
超絶グループと化したそれ以後のザッパ・バンドへの関心も繋がりやすい気がする。
盲目の奇才、ローランド・カークの諸作品に手を伸ばしてみるのも良いかも。

それにしても、シンプルで毒々しくて、でも見事なジャケットだなあ。
内側の写真もいちいち心を惹きつける…。

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【参考】Searching Japanese Papersleeve CD's*紙ジャケ探検隊
【参考】Hot Rats - Zappa Wiki Jawaka
posted by garni at 02:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | Progressive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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