2006年03月23日

ねじ式

photo
ねじ式
つげ 義春
小学館 1994-12

by G-Tools , 2006/11/06


ねじ式はつげ義春により1968年月刊『ガロ』6月増刊号「つげ義春特集」に発表された短編漫画。短編の多い作者の作品の中でも特に有名で、彼を代表する作品として作品集の表題作ともなっている。


潜在意識を具現化する行為はパーソナルに過ぎる
しかし、ここにある空気、匂いは異様な魅力に溢れている
それは誰もが意識の底でみたことのある、
現実の世界にはない光景がどこかにあるから。

つげ氏自身の夢をもとにしたという作品だけあって
ストーリーがあるようなないような曖昧さに満ちている。
ただ、夢ってそれ自体は破綻してる。
目覚めたとき、これを読み終えた後のような高揚感はない
個々の断片的な心象風景が
つなぎ合わされてできた世界…この作品の、
境界線のはっきりしない雰囲気が好きだ



「ねじ式」の現実感のなさ…
それはコマによって絵の描き込みの度合いが違っていたり、
ぶつ切りの会話が淡々とスライドしていく部分に
顕著に出ていると思う
それにしても、亜空間から機関車が村に進入するシーンには
やっぱり身の毛がよだつような凄まじさを感じる

でも
考えてみれば
それほど
死をおそれる
ことも
なかったん
だな

死なんて
真夜中に
背中のほう
からだんだ
んと………

巨人になっていく
恐怖と比べ
たら

どうって
こと
ないん
だから



磁場の捻じ曲がった世界に圧倒され、
ある意味つくりものっぽい台詞が支配する中で
不思議と心に残るフレーズです


そんな具合で
久々に「ねじ式」を手にとって読んでいたら
どうにも他の作品まで手に取ってみたくなり
今朝も読んでいた
いつも彼の作品を読み始めるとこんな調子なのだ

「やなぎや主人」という作品には長浦が出てくる
地元から近いが一度も下りたことのないような駅だ
木更津 袖ヶ浦…同じ内房の沿線でもこちらとはやはり違う
向こうは海が近いというのもあるのだろう
「やなぎや主人」…タイトルもそうだが
これは「ゲンセンカン主人」のネタバレのような作品だ

「ゲンセンカン主人」あの不気味さがいい
ドッペルゲンガーと会うとその日に死ぬという
そんなオカルトチックなところでも惹かれるものがある

正直「やなぎや主人」を読んだら
多少なりとも「ゲンセンカン主人」のインパクトは
弱まった感があるが
改めて「ゲンセンカン主人」を読み返すと
やはりあの不気味さは心地よく
ネタを知ってようが知るまいがその作品の質を貶める
ことはないのだと感じた



 の
  用
   心


posted by garni at 10:08 | Comment(18) | TrackBack(1) | 差異 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
つげさん、独特の世界観もってるヨネ〜。
父が全作品集めてる。あんまり数多く世にだして
ないみたいで、残念。
はいっポチりこ♪
Posted by らっきょう at 2006年03月23日 11:58
そうなんですか!
李さん一家も好きです、
昔、筑摩からハードカバーの全集が出ていて
家に何冊かあるんですが、
いつの間にか版権が移ってしまっていて
今では文庫しかない…くぅ〜
Posted by ガルニ at 2006年03月23日 13:08
映画化されましたね、佐野史郎主演でした。
観てないんですけど…(観れる環境にもなかったし)
>潜在意識を具現化する
っていうくだりはオリジナルですか?
Posted by kikurako at 2006年03月23日 22:25
懐かしいです。かつてWEBでアリスインチェインズの(3本足犬じゃなくて)白盤のアルバムレビュー書いたことありました。再度聞きたいから、今思い出して家の中でCD探しているんですが、出てきません(^_^.)
Posted by yokohamametal at 2006年03月23日 23:11
>kikurakoさん
あ、だから佐野史朗がコメント寄せてるんだあ。
文庫の方ですが。
潜在意識の具現化って言葉は僕の感想なんですが、
ある意味、ヘタの横好きではありますが
自分の創作活動みたいなのも、
そういうの目指しているのかなーと常々感じてマス…
Posted by ガルニ at 2006年03月23日 23:13
>yokohamaさん
おお、そうだったのですか!?
最近ふと聴き返したくなりまして、
『Dirt』以外のアルバムを注文したとこです

レイン・ステイリー、本当に凄いボーカリストでした…
Posted by ガルニ at 2006年03月23日 23:17
映画見たよ!やっぱり父がビデオかりてきました。
登場人物はどれもソックシでした。
得に李さんの奥さんが、、、、笑
「紅い花」もあったんだけど、よくできてた。。
ただ、内容は、漫画で見たほうが伝わってくるなあ〜。ヤッパリ。
Posted by らっきょう at 2006年03月24日 11:56
そうなのかー…「ねじ式」は
浅野忠信が主人公やってるんですね、
機会があれば観たいと思います。

ヨドバシカメラの歌を聴くと無能の人を思い出す…
_| ̄|○
Posted by ガルニ at 2006年03月24日 16:07
佐野さん、ぴったりですね。
Posted by unclemac at 2006年03月24日 20:20
あんな大人になりたいと思っていたこともありました…
Posted by ガルニ at 2006年03月24日 21:11
余談ですが佐野史郎さん
「関東水木会」の正会員さんです。
関東水木会=水木しげる大(おお)先生を熱烈に愛する人達の集いです。
Posted by kikurako at 2006年03月24日 22:14
あ…なんかそれ、聞いたことあるような気がします。
佐野さんはやっぱり面白い人だ!
またホームページ覗いてみよう。
Posted by ガルニ at 2006年03月25日 00:12
あっしも、ねじ式持ってますぜぃ〜!!!
つげ作品は、もはや漫画でない漫画ですなっ!

映画も見ましたが、こっちはアカンでした〜。
退屈きわまれリ!
映画を見ながら寝たのは
この映画が最初で最後でした・・・((;´Д`)。
Posted by にこぽん at 2006年03月25日 10:29
久々に読みすぎて、貧乏な気分になりました…!
でもやっぱり好きです

あれー!?映画ってそうなんですか?
でもあの雰囲気を出すのは無理そうですね(;´Д`)
Posted by ガルニ at 2006年03月25日 11:48
漫画の後に、見るとがっがりするよ〜。
得に、佐野主演の映画は、原作と忠実に再現しようこだわっていたそうで、実写になると、それが仇になったというか、、、なんというか、、、^^;)
Posted by らっきょう at 2006年03月25日 13:21
観るのよそうかな…
竹中直人の「無能の人」は評価高いみたいですね。
Posted by garni at 2006年03月25日 14:14
本や漫画と忠実すぎると、映画にしたばやい、ストーリー性がせまいっていうか、、、逆にこのシーンはどう映像にしたんだ?って感じでチェックして見てました(笑)「無能の人」見ました?面白そうだなあ。・・竹中直人がでるのは面白いのが多いね。
Posted by らっきょう at 2006年03月25日 14:53
「無能の人」、
親が借りてきてたので観ようかと思ってたら
勝手に返してしまい「面白かった」と…!

いつか観たいです><
Posted by garni at 2006年03月25日 17:19
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