2006年05月03日

キジも鳴かずば

excite [2006年05月3日0時0分]  「まんが日本昔ばなし」の定番を探る! こういった昔ばなしは、他にもたくさんあった気がする。だいたい良いおじいさんとおばあさんの近くに、悪いおじいさんとおばあさんが住んでいたような……。そう思い始めると確かめたくなってしまった。そこで、これまでに放送された1400余りの「まんが昔ばなし」から、選りすぐりの101話を収めた絵本の決定版でチェックすることに。さっそく片っ端から読んでみた。


物心ついた頃、「まんが日本昔ばなし」の
絵本の全集がいつも傍らにあった。
毎晩、一冊ずつ順番に引っ張り出しては
母に読んでもらっている内に、
本の中のフレーズを自分でも覚えてしまって、

「あたりはすっかり秋の色〜」 (「3枚のおふだ」より)

なんて言って親を笑わせていたものです。

昔話の定番には、記事の中にあるような
「むかしむかしあるところに」
の他に、すぐイメージするのは
「いつまでも、しあわせにくらしましたとさ」
っていう締めの言葉。

…でも、「しあわせ」ではない終わり方の話の方が
よっぽど心にズシンと刻まれる。

それが「リアルな」話だからだろうか
4歳児にも確かに響いた、
自分にとって忘れ難いむかし話…

「キジも鳴かずば」という作品があった
子供心にも悲しさに打ちのめされ、
その話を観た日は眠れなかったのを覚えている。


ある村に、
弥平とお千代という貧しい父子がつつましく暮らしていた。
ある日、重い病にかかってしまったお千代、
「あずきまんまが食いてえ」と、
うわごとのように繰り返していた。

しかし、貧しかった弥平の家には、
既に一粒の米もなかった。
そこで弥平は、地主様の屋敷に忍び込み、
ひとつかみの米と、小豆を盗んで
千代にあずきまんまを食べさせた。

このことはすぐに地主にもばれてしまったが
盗まれたのがほんの少しだったことで、
犯人探しもされなかった。
あずきまんまのお陰なのかお千代の病はみるみる回復し、
しばらくして外で元気に遊べるようにもなった。
お千代は、あずきまんまがよほど気に入ったようで
「あーずきまんま、うーまいぞ♪」
という手毬歌を歌うほどだった。

その年、弥平たちの住む村の川が氾濫した。
この村では、川の神の怒りをしずめるために
人柱をたてることになっており
例年、罪人を人柱にするのが習わしであったが、
その年はたいした犯罪も起きてはいなかった…

そんな中、お千代の手毬歌を村人が耳にする
「あーずきまんま、うーまいぞ♪」
これがもとで、弥平の盗みはばれてしまった。

村人はお千代の病も知っていたので、
気の毒に思ったが他に罪人がいなかったため、
弥平は人柱として川に沈められた。
村には、お千代が父を思い泣く声が、
何年も何年も響いたという。

しかしある時、その声がぷっつりと途絶えた。
そしてそれからお千代はひと言も口をきかなくなったという。

いつしかお千代は娘に成長したが、
その姿は村からもいつの間にか消えてしまい、
村人もお千代のことを忘れていた。

ある日、村人が狩りでキジを撃ち落とした。
キジが落ちたあたりに行ってみると、
そこには死んだキジを抱いたお千代が立っていた。

「キジも鳴かずば 撃たれまいに」

「お…お千代、お前…しゃべれたんか!」

お千代は、自分の手毬歌が父を殺したのだと、
ずっと悔やんでいた。

お千代はキジを抱いて再びどこかへ消えていった。


kiji.jpg

東北地方の話で、実際にあったことだという
氾濫を起こしたという川も、橋も、慰霊の塚もあるとか。

僕には、最後に出てくる成長したお千代の
「何もない瞳」が、未だにふと頭をよぎることがあるのです


【参考1】ウンコをしろ。腹が減るぞ ここで、ちょっとひねくれた人だと、「昔ばなしなんて、ステロタイプの『いいおじいさん』が正しい生き方をしていればいいことがありますよ。なんていうリアリティのない話だろ。そんなもん今の子供に見せても何の役にも立たん」なんてことを言うかもしれない。しかし、それは「まんが日本昔ばなし」のある一面しか知らない者の発言だと思う。

【参考2】Wikipedia まんが日本昔ばなし 毎回、日本に伝わる昔話を映像化し、市原悦子と常田富士男の独特の語りによって紹介する。スタッフに一流のベテランアニメーターやイラストレーターを多数起用するなど、映像にこだわりのある作品だった。監修には川内康範が参加した。

【参考3】まんが日本むかしばなしの怖い話 どれが一番怖かった??漏れは、岩陰かなんかに落っこちて、最後まで発見してもらえ無かった話。叫び続けても、全く気づいてもらえないまま物語が終わっちゃうんだけど余りの救いの無さに子供心に怖かった。子供向けアニメの癖に妙に怖い話おおいね。今じゃ放映しにくそう。


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posted by garni at 19:49 | Comment(5) | TrackBack(0) | 差異 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちにもあったよー!小冊子タイプの昔話がずらり。
あれ‥今どこにあるんだろう。
一番覚えてるのは、お地蔵さんが大晦日にご馳走もってくるやつ‥だったけか?
Posted by TUGGY at 2006年05月03日 21:30
そうそう!同じやつですよきっと。
きつね色っぽい表紙の、
薄い冊子が50冊くらい入っていて。

>お地蔵さんが大晦日にご馳走
「笠地蔵」かも
おじいさんが売れなかった笠を
雪かぶったお地蔵さんにつけてあげる話。
Posted by garni at 2006年05月03日 22:26
キジの話、子供のころは、なんとも感じなかったけど、とても可愛そうで・・。
昔の東北地方の飢饉の背景が、思い浮かんで・・。
Posted by らっきょう at 2006年05月05日 15:04
こうした話がずっと残っているのは
「忘れてはいけない」という村の人達の意志が、
代々受け継がれていったからなんじゃないだろうか?
そんな気がしてます。
Posted by garni at 2006年05月05日 15:35
日本昔話を子供時代に視聴して育てば虐めや動物虐待、やらかさないんじゃないかなあ、とすら思う
でも最近の日本昔話は、ストーリーも改竄されていたり、絵柄も何だか味気ないアニメになり残念
悲しいまま、辛いまま見せてトラウマになるくらいでいいと思う
人生は、現実は残酷だけれど絶望だけではないと。
Posted by 春日 at 2013年06月18日 02:27
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