2006年07月17日

プロパガンダとレンブラント

excite - ロイター [7月15日17時38分] レンブラント生誕400周年記念でナチ時代の展覧会 ナチスのプロパガンダ担当者は、光と影の使い方と繊細だが力強い表現力によって崇拝されているレンブラントの作品に、自分たちの「血と土」の神話を鼓舞するイメージを見た。それはゲルマン民族の血は土地と深い結びつきがあり、人種的に純粋で優れているという考え方だ。


プロパガンダ(Propaganda)の手法は、
1930年代に台頭したナチス・ドイツによって発展したという。
代表的な例として、映画「意志の勝利」(Wiki)
などが挙げられるが、美術の分野においても
自国礼賛の感情を刺激する絵画を大々的に喧伝する一方(参考)、
バウハウスを引き合いに出し「頽廃芸術」と非難することで
大衆を操作していった。

話は変わって上記のニュースだが

helmet.jpg

こちらの絵を観たヒトラーは、
「これはレンブラントが正しいアーリア系ドイツ人であった証拠だ」
と感嘆したそうである。

彼の作品は、その光と影を強調したタッチをもって
「光の画家」と称されることもあったようで、
そうした画風がナチスのプロパガンダ担当者の目に止まり
彼らの「血と土」の神話を鼓舞するイメージと合致したことで、
占領下にあったオランダにおいて
レンブラントを政治的に利用することになったらしい
しかし実際は、レンブラントがユダヤ人と共に暮らし
彼らを描いた作品も存在していたため、
ナチスの中にも反対の声はあがっていたようだ

結果として、オランダ人にとってレンブラントの絵は
「国家的」なものではなく「国際的」なものであるという
事実は変わることはなく、現在に到っている。
レンブラント生誕400年記念である今年、
オランダでは彼をテーマに様々なイベントが用意されているらしい。

文化や芸術が長い年月を経て淘汰されていく中で
普遍的な評価を受けているものを、
後になって出てきた狂気の連中が思想的に利用しようと
勝手な解釈を与えたとしても、
決してその価値は揺るがなかった、という事実に
深く考えさせられるものがあった。


【元ニュース】Reuters [Fri Jul 14, 2006 8:04am ET] Dutch museum recalls Nazi use of Rembrandt When Nazi propagandists looked at Rembrandt's works -- admired for their striking use of light and shade and subtle, expressive power -- they saw images to fuel their myth of "blood and soil," the idea that those of German blood had a deep bond with their land and a superior, racially-pure character.


【参考1】Wikipedia プロパガンダ 特徴としては、最大多数の支持を獲得するために事実の誇張・歪曲を含むあらゆる手段を行使し、理性よりは感情に訴えることが多く、それらの点で..

【参考2】Wikipedia レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン(Rembrandt Harmenszoon van Rijn, 1606年7月15日-1669年10月4日)は17世紀を代表するオランダの画家。


posted by garni at 02:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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