2006年09月29日

おばあちゃん

photo
Black Jack―The best 14stories by Osamu Tezuka (2)
手塚 治虫
秋田書店 1993-07

by G-Tools , 2006/09/29



ブラック・ジャックのストーリーには、
ショッキングなものや考えさせられるテーマが非常に多い
読んでいる自分自身、かつてはみえていたはずの何かが、
改めて読み返すとすっかり劣化していた事に気づかされたりする。

「おばあちゃん」という話があったのを、
とある場所を見て思い出した。
自分は物事の表層しか見ていなかったのだ…と省みた。


ある家に、金にがめついお婆さんがいた。

"留守番代おくれよ。こっちは暑いなか留守番していたんだから"

─おばあちゃん。ふたことめには金をくれって


ブラック・ジャックは、
ふとしたきっかけでその息子と対面する

─もしかしたらブラックジャックというお医者さんでしょう。
母が、日本には名医が二人いて一人はブラックジャック先生、
もう一人は甚大先生だと。甚大先生をご存知で?

"いや知らんな"


素っ気無く答えつつも関心を持った彼。
甚大の妻との会話

─主人はあまりに変わっていまして、
とんでもない請求をするんです。
当時の金で500万円とか1000万円とか

"フフ。先生はさぞかし名医だったんでしょうな"


その頃おばあちゃんの息子は、
母が時々ひとり外出している先を突き止めようとしていた
辿り着いたそこは、甚大の家だった。

"これが最終のお支払いね。これで肩の荷がおりましたよ"

─思えば30年。奥様は毎月ずーっと

"甚大先生に誓ったんですからね。一生かかっても支払いすると。
これで安心して冥土へ行けますわい"


甚大の妻は語った。

─あのかたの息子さんは赤ん坊の時、
ニーマン・ピック病という殆ど助からない病気にかかったのです

"それを甚大先生が"

─ええ。その時1200万円の治療代を請求したんです。
あの奥さんは、一生かかっても支払うと約束したんです。
奥さんは、貯金を全部使い、内職をして。
甚大がなくなったあとも支払い続けたんです


息子は、初めて母が金に執着するその理由を知り号泣した…
その日、おばあちゃんは倒れた
息子はブラック・ジャックに治療を依頼する。

─お母さん。しっかり

"さわるな。脳溢血だ。気がゆるんだとたんに出血したんだ"

─治るんですか。お願いします

"私に主治医になれと言うんですか"

─もちろん治療代はお支払いします

"見込みは少ない。90%生命の保証はない。
もし助かったら3000万円頂く"

─3000万円?

"あなたに払えますかね?"

─いいですとも。一生かかって支払います。どんなことをしても


"それを聞きたかった"



【公式】BLACKJACK.JP

【参考】Wikipedia ブラック・ジャック ブラック・ジャック平安遷都 京都の駅ビルの中にある手塚治虫ワールド内のみで上映。原作ストーリーからは『おばあちゃん』を起用。京都にまつわる歴史的なエピソードを紹介するアニメーションとの二本立てという形で上映され、その二本を火の鳥がストーリー・テラーとなってつないで行く、という構成。作画監督、演出、共に西田正義監督。プロデューサーもOVAと同じ。音楽はOVA版KARTE6と劇場版より参加した川村栄二氏で、OVA版のサントラを使用。ブラック・ジャックとピノコ役は、OVAと同じ、大塚明夫、水谷優子。『ブラック・ジャック』上映後は『平安遷都(へいあんせんと)』という京都の歴史を紹介したアニメが流れる。


posted by garni at 15:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画/アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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