2007年04月01日

原子心母

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原子心母
ピンク・フロイド
東芝EMI 2000-08-30

by G-Tools , 2007/04/01


'70年発表。いよいよRoger WatersのFloydらしい、
皮肉っぽくて、内省的で、かつ壮大な世界が本格的になった大傑作。

レコード・ジャケット、というものが、
アート作品として鑑賞されるだけの価値あるものだと、
最初に気づかせてくれたのがAndy Warholだとすると、
一見してシュールなジャケットと、
中に潜む音楽が聴く人間の中で絶妙に絡み合うことで、
もっともらしく、深遠なイメージを描き出してしまうにまで、
聴き手の想像力を押し広げてくれたのがヒプノシスかもしれない。

一度見たら絶対忘れないインパクトを放つジャケットは、
中身のサウンドと関係ないもの(牛の写真)を、
敢えてぶつけようというのがコンセプトだったとの話。
ルルベル三世という名前(?)のこの乳牛の、
のほほんとした表情が重厚なタイトル曲を耳にしながらだと、
実はとてつもないメッセージ性を帯びているようにも見えてきて、
しかし結局のところ実態の掴めない感動が押し寄せる内容。

ロン・ギーシンの指揮によるブラスとコーラス、
メンバーの演奏(特にギルモア)の叙情性が実にドラマチックだが、
何より、19分あたりでの混沌とした演奏からメイン・テーマである
「父の叫び」のメロディが立ち上がり、
「再現」へと至る部分が個人的にはこの曲の最大の見せ場だと思う。
まるで「宇宙戦艦ヤマト」でも観ているような気分というか…
もっとも、メンバー自身はこの出来に不満を持っていたらしく、
再録も考えていたが、本バージョンでも充分すぎるほどの名曲。

他にも今作では、リック・ライト作の#3「サマー '68」における、
CSN&Yやサイモンとガーファンクルなんかを思わせる
フォークロック風の曲調から熱っぽくなっていく展開や、
レコーディング・エンジニアのアラン・パーソンズの名前が登場する、
#5「アランのサイケデリック・ブレークファースト」のような、
大胆で奇妙な楽曲も聴ける。
ちなみに、この曲には調理不可能な謎のレシピも付いているが…
仮に作れたとしても、とても食えたものでは…

最後にありきたりですが、
『Atom Heart Mother』→『原子心母』という訳はやっぱり凄い!


【参考】Pink Floyd - Wikipedia (ja)
【参考】Hipgnosis - Wikipedia (en)

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posted by garni at 15:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | Progressive | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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