2009年07月10日

オチビサン

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オチビサン 1巻
安野 モヨコ
朝日新聞出版 2008-08-20

by G-Tools , 2009/07/10

現在、朝日新聞の日曜版で連載中の漫画『オチビサン』
その世界はとてもメルヘンチックです。
繊細な自然の描写やテクノロジーとは無縁の生活、
素朴で穏やかなストーリーが印象的。
そういう意味で『オチビサン』は読者を選ぶことなく、
老若男女、誰でも親しめるお話になっています。

主人公のオチビサンに関することは謎だらけです。
人間とも動物とも植物とも対話できるようですが、
男の子なのか女の子なのか、いつも一緒のナゼニも知らない。

ナゼニはまるでソクラテスのように、
いつも何かを考え、自身や他者へ問いかけているイヌ。
その性分のせいで損をしてしまうことも。

パンくいはとにかく食いしん坊で、ちゃっかりしている。
見た目こそナゼニと殆ど変わらない姿だが、
ナゼニとは対照的にあまり細かいことは考えない性格。

おじいは近所に住んでいる、懐かしの「雷おやじ」。
ジャックは落書きばかりしているいたずら好きの猫。
そんなユニークなキャラクター達によるのんびりとした生活が、
季節を感じさせる天気・行事・食べ物と共に綴られていく。

これまでの安野モヨコ作品のイメージとしてあったのは、
やはり「女たちのビルドゥングスロマン」で、その中心には、
精神的・身体的「女性」がまず存在し、描かれている。
当然ながら、『オチビサン』の世界の中には、
そうしたキャラクターは「ルール」として絶対に出てこない。
でも「彼女たちの世界」のどこかにこっそりと、
『オチビサン』が隠れているというのはあり得るかも…。

気になるのは、彼女は昨年、休業宣言をしましたが、
例外的に『オチビサン』だけは続けていることです。
『オチビサン』が紙面のほんの一角のスペースだから…?

淡い色合いが、映画『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』で、
イングマルがみる夢のような雰囲気にも感じられたり。
どこか郷愁を誘う…ふと、彼女の描くフェミニンな女の子が、
駆け回るオチビサンたちとすれ違う絵が浮かびました。
もしかしたらオチビサンは、妖精みたいな存在なのかも知れない。

そして…どうでもいいことですが、
オチビサンのキリッとした眉毛を見ていると、
なぜか『働きマン』の弘子の表情を思い出してしまう…。


【リンク】灯火日記
【リンク】安野モヨコ
posted by garni at 20:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画/アニメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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